2012年4月23日月曜日

第22回NIJIの会例会 外国人採用による社内活性化

【日 時】2012年4月23日(月)18:00~20:30
【会 場】北海道経済センター8階
【テーマ】外国人採用による社内活性化
【講 師】株式会社オカモト 取締役 中西 創 氏
【出席者】第一部セミナー  企業参加者19 名;留学生6名;関係者 10名
第二部交流会   企業参加者18 名;留学生6名;関係者 7 名

講師の中西取締役



留学生全員で運営ミーティング

司会の李想さん

セミナーの様子


第2部の交流会


セミナー概要
会社概要および外国人採用の現状についてご説明頂きました。そこから要点のみ抜粋します。

◆会社概要
・オカモトという会社は最初ガソリンスタンドから始まった。
・昭和59年から多業種の展開を始め、現在は車検、リサイクル、ツタヤ、スポーツクラブ、居酒屋、介護などの事業を全国展開している。事業所は全国188箇所。
・既に働いている外国人社員は8名。
・この20年で収益が20倍という急成長を遂げた。最近3年間もずっと増収増益。
・利益はすべての業種でバランス良く構成されている。すべてが本業。どれかが不振でも他で補える体制。

◆海外ビジネスの現状
・本気で海外展開を視野に入れているので社員には「勤務地は地球のどこか」と言っている。
・現在の海外ビジネスは、自動車関連の仕入れ、その他雑貨商品の仕入れ、飲食店の食材の仕入れ。
・一番進んでいるのは自動車で、現地(中国)を歩きまわって提携できるタイヤメーカーを見つけた。
・直接工場を訪問して品質を確認し、高品質低価格な製品を実現。国内メーカーではできない価格。

◆今後の事業計画
・人口減少や高齢化の進む現状でどう将来構想を考えるべきかを社内で研究し、斜陽産業とも言われるガソリン販売部門でも増収増益を続けている。
・この社会情勢で伸びるのは介護。5年前より参入している。
・また介護の需要に並び、自分の健康を守ろうという意識の高まりがあるのでスポーツクラブにも参画。
・アジアの国々が豊かになり、モノが余る時代になると思われる。国内で順調なリサイクル店事業も海外へ持ち出す予定。
・こうした海外進出を念頭に、外国人採用に取り組んでいる。

◆外国人採用
・現在の採用はこの3種類。①普通の日本人新卒採用 ②北京での現地採用 ③道内の留学生の採用。
・この2年間での実績は新卒採用44名、うち12名が外国人(27%)。
・当初は海外ビジネスのみを念頭に置いた採用だったが、実際には社内の活性化など想定以上の様々な効果が上がっている。
・通常は選考を受けた学生の5%程を採用しているが、札幌の留学生採用では20%を採用した。リクナビ等も使っていないので採用コストは驚くほど安い。
・北京での採用には現地の支援会社を利用しておりコストはかかるが、採用効率は良い。いずれ自前でできる体制を整える予定。

◆外国人社員の様子
・札幌で採用した人はかなりの日本語力。4月入社で、冬になってから「この前初めて私が中国人だとお客さんにばれました」という程。
・北京で採用した人は、初めは日本語に苦労する。しかし飲み込みは早く、日常会話はすぐに身につける。
・とはいえ日本語をいかに早く習得させるかは大きな課題。社内研修など模索中。運転免許の取得も課題。
・日本での生活習慣は全く問題なく、日本人以上に日本人の心(謙虚さ、人を敬う気持ち)を持っている。

◆外国人社員による影響
・会社のトップが掲げていた「海外進出」を一般社員が身近なものとして感じるようになった。
・日本人社員が危機感を持つようになり、外国語を学ぶ人が出て来た。特に外国人社員を部下に持った上司はこの傾向が顕著。
・会社説明会に留学経験者や帰国子女が来るようになった。オカモトの海外志向が浸透してきた模様。

◆今後求める人財像
・高い目標を持ち、モチベーションの高い人。
・帯広から世界を目指しているので、無謀な挑戦にも乗っかれる人。
・会社の敷いたレールの上を走るのではなく、何も決まっていない企画を主体的に切り開いていける人。
・面接で最終的な決め手になるのは、人間性やスピード感など、つまるところ直感。
・これからは中国以外の国籍の人も採用する予定。
・早めに外国人社員に取締役を任せる意向。


実際のセミナーではそれぞれの話題についての具体的なエピソードなど、更にもりだくさんの内容でした。今後も素敵なセミナーを予定しておりますので、ぜひ会場まで足をお運びください。